栗東民報

「2014年度予算編成にあたっての要求書」と
   市からの回答 


                  2014年1月15日
栗東市長 野村昌弘 様
教育長  森本 明 様

               日本共産党栗東市委員会
                   委員長 國松清太郎
               日本共産党栗東市会議員団 
                      太田浩美
                      大西時子


 2014年度 栗東市予算編成にあたっての要求書

平素は市民福祉の向上と安心安全のまちづくりにご尽力いただきありがとうございます。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復が期待されているようですが、一向に国民の所得が増える気配はなく、むしろ生活必需品の物価が上昇し、4月から消費税増税への不安が増しています。消費税率を引き上げる2014年度予算で安倍政権は、公共事業費を増加させ、道路・港湾・空港などの建設・整備の予算を大きく積み増しています。「国は財政危機で、社会保障に回す予算がない」として、国民には消費税増税を強行しておきながら、大企業やゼネコンの儲けのために不要不急の大型開発に莫大な税金を投入するなど、国民置き去りにする政治の最たるものです。
安倍政権は、雇用・医療・介護・農業などの規制を撤廃しようとしていますが、規制撤廃は派遣労働の無制限拡大や解雇自由化などの雇用破壊につながり、不安定雇用と長時間労働をひどくし、経済の成長にも逆行します。景気回復にもっとも必要なことは、労働者の所得増です。しかし、残念ながら大企業優遇政策中心の「アベノミクス」では、労働者の所得増につながる視点は全く見受けられません。
 4月から8%になる消費税増税に、過半数の国民は反対です。医療・年金の切り下げなど社会保障削減に反対する運動も広がっています。また、エネルギー政策における原発再稼働問題、特定秘密保護法の強行可決、沖縄における辺野古埋め立て・米軍基地の新設問題、昨年から交渉が持ち越されているTPP交渉問題、首相の靖国神社参拝などさまざまな分野で、安倍政権は国民との対立を深めています。

市政運営において、財政健全化を目的としてH20年度から『財プロ』『新・集中改革プラン』等が実施されました。H20〜24年度の4年間における市民への負担増は31億3000万円にものぼります。市民に多大な犠牲を強いながら、その一方で返済期日が過ぎたたばこ業者への貸付金は当初の契約どおりに回収できていません。企業へは5億8000万円(累計)もの奨励金を交付し、『後継プラン』には57億円にものぼる税金を投入するなど、開発事業や企業への優遇措置には、全くメスが入れられていません。さらに、2014年度栗東市予算編成方針では、台風18号の被害への対応等もある中で、市民向けには引き続き『新集中改革プラン』による緊縮型予算編成でありながら、市長のトップセールスによる企業誘致や『後継プラン』は、積極的に推進するとなっています。

土地開発公社の負債の後始末として、『3セク債』を活用した償還が、今年度から開始されました。158億円・30年間におよぶ償還は、これまでの無謀な大型開発によるツケや利権の後始末を、全く責任のない市民に肩代わりさせるものです。たばこ税収の落ち込みや土地開発公社の経営危機、たばこ業者への貸付金未回収などによる財政悪化は、開発優先・企業優遇型の市政運営の失敗によるものです。
地方自治法第1条2項は「地方自治体の本来の役割は住民福祉の増進」と定めています。本市は、周辺市との比較で、全体的に福祉水準が低くなっています。開発優先・企業優遇型の市政運営をあらためれば、福祉水準を引き上げることは可能と考えます。財政難ばかりを強調するのではなく、もっと積極的に市民の暮らし・福祉を守ることに重点をおいた市政運営を求めます。そういう視点から、2014年度における予算編成に対し、下記の事項を要求いたします。
ご検討いただき、2014年2月10日までに文書でご回答いただきますようお願いいたします。
 *2月10日、市から回答書が届きました。

1、財政健全化のために

(1)奨励金交付による企業誘致事業において、短期間で企業が撤退し交付金が返還されないケースが全国的に相次いでいます。栗東市における企業誘致への奨励金措置も、危機的な市の財政をさらに圧迫する要因です。「栗東市工場等誘致に関する条例」は廃止し、企業への奨励金の交付もやめられたい。
[答]企業誘致については、その施設の固定資産税や法人税による市税への貢献だけでなく、市税収入額を一定確保したうえで、地域雇用や周辺地域に対する経済効果が長期間にわたって期待できることから、本市の発展に不可欠なものであります。

(2)たばこ業者への貸付金未回収問題で、『認諾』から1年9か月が経過しています。市は返済について猶予は認めないとのことですが、鰍sSRと鰍bSRへの貸付金9億円の回収がまったく進んでいません。いつ・どのような方法で回収されるのか、具体的に明らかにされたい。早期に回収し、市民福祉の向上に有効活用されたい。
[答]鰍sSRについては、裁判で認諾後、返済計画を提出されましたが、不十分なことから、再度提出するよう求めています。 鰍bSRについては、相手方から貸付金が返済されない場合は、市の強制執行が可能となる内容の公正証書作成を相手に求めています。

(3)市に移管された栗東市土地開発公社の保有地の処分・活用について、できる限りの債務圧縮と利率低減を図り、市民負担の軽減に努められたい。あわせて、市民参画で有効活用できる方策も検討し、市民サービスの向上に役立てられたい。
[答]市へ引き受けた公社保有地については、それぞれの事業目的により取得されてきたことから、個々に事業化の目途を見極めていく必要があります。 その中で、事業化が見込めないと判断する土地は、民間売却を第一として取り組んでまいります。

2、医療・福祉の充実のために

(1)本市の医療給付費は県内で19市町の中で16番目と低いにもかかわらず、国民健康保険税は一番高い額になっています。国保税だけで所得の13〜18%を占め、低所得世帯が多数を占める国保加入者にとって大変重い負担となり、暮らしを圧迫しています。4月からの消費税増税で、ますます滞納者が増え、国保運営も困難となることが予想されます。ただちに、払える税額に引き下げられたい。
[答]国民健康保険は、加入者の保険税や国、県等からの負担金や交付金等をもって運営する社会保険制度ですが、近年の医療費の伸びや景気低迷による保険税額の伸び悩みなど、大変厳しい財政運営状況が続いています。
 保険税については、近年の医療費の動向や国等からの負担金等を見込む中で、毎年見直しの検討を行っており、国保制度を維持し、医療の安心を図るためには、現時点での保険税の引き下げは困難な状況ですが、平成26年度から、国保税の均等割・平等割の5割分または2割分が軽減される措置について、その判定所得が引き上げられる予定となっており、低所得者への保険税軽減の拡充が図られます。


(2)本市の国民健康保険制度によるH24年度当初の資格証明書交付数は266で、H23年度の208から増加し、周辺市比較でも一番多い数となっています。保険証がなければ、医療にかかれません。届け出や弁明書などの書類のやり取りだけにとどまらず、訪問等を実施し、必ず面談での納税相談や生活相談を行い、保険税が納付できない事情を把握されたい。その上で、全ての加入者に保険証を発行されるよう求めます。
[答]資格証明書については、国民健康保険法第9条の規定に基づき適正に発行しています。
 資格証明書の発行者に対しては、特別の事情届けや弁明書の提出を促すことにより接触の機会を確保し、短期保険証の発行者については、更新の際に面談の機会を設ける等、保険税の納付相談・納付指導に努めています。


(3)滞納等により保険証が手元にない世帯であっても、緊急時においては保険証を発行し、医療を受ける権利が奪われることのないように対応されたい。
[答]緊急を要する場合には、その状況の把握に努め、税務課と連携し対応してまいります。

(4)高齢者を年齢で差別する後期高齢者医療制度は、すみやかに廃止されるよう国に働きかけられたい。高齢者の受診抑制はただちに命に関わります。資格証明書や短期保険証の交付実態を明らかにされたい。資格証明書や短期保険証は交付されないよう求めます。
[答]国において社会保障制度改革について議論されているところであり、これらの動向を注視していきます。
 資格証明書や短期被保険者証の交付実態については、滋賀県後期高齢者医療広域連合短期被保険者証の交付に関する事務取扱要綱に基づき、短期被保険者証を交付しております。平成26年1月1日現在での交付対象者は11名です。なお、資格証明書の交付はありません。

(5)介護保険料は月額4900円で、制度発足時の2700円から約1.8倍に上がっています。しかし、受けられるサービスは削減されるばかりです。国の責任で上昇の抑制を要望しているとのことですが、これで保険料は引き下げられるのでしょうか。これ以上の負担増とならないよう対応されたい。
[答]保険料の引き下げについては、国の責任において国庫負担割合を引き上げるなど、必要な財政措置を講じることや介護保険制度の円滑な運営について必要な支援を図ることを要望しているところです。

(6)H26年度から要支援1・2(軽度者)が介護保険から外されようとしています。デイサービスの利用や訪問介護などのサービスが受けられなくなることで、重度化が懸念されます。要支援の方々もこれまでどおり介護サービスが受けられるよう対応されたい。
[答]国の動向を注視しながら、実施している事業の内容を精査し、適切なサービスが利用していただけるよう検討してまいります。

(7)施設入所への待機者の改善について、H24年度から定期巡回・随時訪問看護を実施し、今年度認知症対応通所介護、小規模多機能型居宅介護サービスを整備されました。利用状況はどうなのか。これにより、施設入所への待機者数は改善されたのでしょうか(別紙参照)。
今後高齢者数は増える一方です。入所施設の整備が必要との声も寄せられています。入所施設の整備を計画されるよう求めます。
[答]平成24年度から開始した定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスについては、平成24年度が1名、平成25年度は2名の方が利用されています。
 認知症対応通所介護、小規模多機能型居宅介護については、平成26年度4月から開設する予定となっております。
 入所施設の整備計画については、国は在宅での介護を推進していく方針であることも勘案し、地域密着型施設の整備について、受託する事業者の意向や近隣市の状況を把握しながら、実施している事業の内容を精査し、適切なサービスが利用していただけるよう検討してまいります。


(8)本市の高齢者へのインフルエンザ予防接種の自己負担2000円は、周辺市(草津市・守山市1000円、野洲市1300円)比較でも高すぎるとの声が強く寄せられています。せめて周辺市並に負担軽減を求めます。
[答]本市の高齢者インフルエンザの予防接種は、接種費用4,000円のうちの半額にあたる2,000円を公費で補助して実施しています。厳しい財政状況の中にあっても、年々増加する高齢者の方々に接種していただきたいと考えております。
 なお、生活保護世帯および市民税非課税世帯の方には、無料で接種をしていただけます。


(9)養護学校高等部卒業生の受け入れ先が、年々深刻な課題となっています。通所施設の充実とともに、障がい者(児)の雇用拡大に努められたい。
[答]養護学校卒業生の進路先の確保については、栗東市はもとより、湖南圏域全体の課題として認識しております。
 通所施設への通所拡大を図るためには施設改修が伴いますので、運営法人と協議を行いながら、補助金の活用も視野に入れ、取り組みを進めてまいります。


(10)障害者のグループホーム・ケアホームも不足しています。ショートスティも満員で利用できない状態が続いています。障害者の自立を支援・促進するうえで、必要な施設です。湖南圏域や栗東市における施設整備を進められたい。
[答]今年度、湖南圏域の重度障がい者進路先確保検討プロジェクト会議において、事業所や支援機関を対象に住まいの場に関する調査を実施し、現在、調査結果の分析、課題整理を行っているところです。
 この結果等も参考にし、明確になった課題に対して、湖南圏域市と連携を行いながら、検討してまいります。


(11)発達支援における就労期までの支援体制について、中学校卒業後も一定期間検査が受けられる仕組みや段階的な移行の仕組みを構築していくと言われていますが、どのような体制で進められているのでしょうか。増加傾向にある発達障がい者の就労期への支援を充実されたい。
[答]義務教育終了後の支援については、一旦、相談を受けた後、過去の相談履歴を基に、適切と判断される機関を紹介するとともに、発達検査を受けた時期を確認し、ガイドラインに定められている期間よりも間隔が空いている場合は、必要に応じて検査を行っています。
 また、平成25年7月に開設された滋賀県障害者医療福祉相談モールをはじめとした機関などと連携し、相談内容によって、発達障害者支援センター、働き・暮らし応援センターりらく、就労サポートセンター等の紹介を行っております。
 引き続き、支援状況の変化を見極めながら、関係機関、関係課と連携し、自立した生活をするための移行の仕組みや支援体制の構築を検討してまいります。



3、子育て支援の充実のために

1)就学前の医療費に自己負担があるのは本市だけです。ようやく、4月から入院のみ中学校卒業まで無料化されますが、いまや「中学校卒業まで無料」が世間並となりつつあります。せめて就学前の医療費は無料にされたい。
[答]福祉医療費助成制度については、財政健全化の取り組みの中で、平成21年10月診療分から、乳幼児、乳幼児以外の福祉医療助成対象者の方に対しましても、滋賀県制度に基づき一部自己負担をお願いし、将来に渡って制度自体の維持・継続を図ったものです。

(2)特定健診の受診率が低迷しています。受診率の向上は病気の早期発見になり、医療費の抑制にもつながります。隣の野洲市は、23年度から自己負担をなくしたことで、低かった働き盛り世代の受診率が大きく向上し、市民の健康づくりに役立ったと話されました。
 参考)野洲市の特定健診 受診率
 ・40〜44歳 17.8%(H23年度)→ 25.9%(H24年度)
 ・50〜54歳 21.0%(H23年度)→ 27.5%(H24年度)

H20〜23年度における特定健診の受診率(40〜64歳、65〜74歳)を明らかにされるとともに、周辺市比較で最高額となっている自己負担1500円を軽減されたい。
[答]国民健康保険被保険者のうち65歳以上の方の自己負担金は無料です。また、64歳以下でも非課税世帯については、申請により自己負担金は発生しません。
 適正な受益と負担を維持し、市民の健康増進のため、また医療費の適正化のため受診率向上に努めたいと考えています。
 なお、平成20年度から23年度における受診率は以下のとおりです。

          ≪40〜64歳≫ ≪65〜74歳≫  ≪全体≫
 平成20年度   17.8%  38.2%  27.7%
 平成21年度   20.8%  43.0%  31.9%
 平成22年度   21.0%  41.3%  31.2%
 平成23年度   20.3%  43.2%  31.8%
(参考)
 平成24年度   23.4%  47.7%  36.0%



(4)保育園の待機児童の解消は市長の選挙公約です。公約実現と子どもの豊かな育ちを保障するために、これまで以上に正規保育士を増員し、待機児童を解消されたい。職員定数に余裕もあり、増員は可能です。少なくとも3名の欠員状態は、ただちに補充して改善するべきです。
[答]正規保育士については、市全体の職員定数等を踏まえる中で、計画的に採用を進めてまいります。
 また、臨時保育士については、職業安定所を通じた募集に加え、県の保育士人材バンク、ホームページヘの掲載、保育士養成課程のある各種教育機関等に対する募集案内、保育士就職フェアへの参画等を実施しています。
 引き続き、あらゆる手段を講じる中で、必要な人材の確保に努めてまいります。


(5)待機児童の解消を目的としH22年4月から大宝保育園が民営化されました。しかし、待機児童は毎年存在し、解消につながっていません。待機児童の解消につながらない公立保育園の民営化計画は見直すべきです。
[答]待機児童の解消に向けては、保育士の確保や、市内の公立園、法人立園がともに協力・連携を図る中での入所調整を行うなどの取り組みを実施しています。
 引き続き、民営化計画とともに、待機児童の解消に向けて取り組んでまいります。


(6)学童保育所について
@保育料が近隣市の中でも一番高く、利用したくてもできないなど保護者から引き下げが求められています。保育料引き下げと収入に応じた減額免除制度の充実を求めます。
[答]現在の学童保育所の保育料については、今後5年間は増減しないことを前提に平成23年度、関係機関等と協議を行い、一定の理解を得た後それを決定しています。
 なお、保育料金については、国の考え方等を参酌しながら、常にその適否についての精査を行います。


A児童数が増加しており、保育所の拡充が課題となっています。増設・新設・夏季休み保育の実施などが求められています。保護者の意見を聞き、対応策を講じられたい。
[答]財政状況及び保護者の利用意向を勘案しながら、既存施設を最大限に活用し、国の放課後児童クラブガイドラインおよび市の条例・規則などに沿った運営に努めてまいります。

B小学4年生〜6年生の保育を実施されたい。
[答]小学4年生以上を対象とする保育の実施は、対象とする児童や学年などについて保護者の理解を得たうえで、指定管理者の自主事業として実施しています。

(7)児童虐待は日常的に起こりうるとの認識を持ち、常に学校や保健センター、県子ども家庭相談センター、医療機関などの関係機関と連携を強化し、早期発見・早期対応に努められたい。有資格者の雇用など相談員や家庭児童相談室の支援体制の充実に努められたい。
[答] 平成22年度に栗東市要保護児童対策地域協議会を設置し、家庭児童相談室をその調整機関として位置付け、関係機関と連携しながら児童虐待の早期発見と早期対応に取り組んでおります。
 特に、今年度から健康増進課との情報共有のため母子担当者会議を月1回実施し、ハイリスク妊婦への支援を行い、虐待の早期発見に努めております。
 また、中央子ども家庭相談センターや済生会滋賀県病院のCPT(虐待対応チーム)と連携し、児童虐待の早期発見・早期支援を行っております。
 家庭児童相談室の職員全てが、児童福祉司としての任用資格を持ち、相談等の業務を行っており、さらなる資質向上のため、CSP(コモンセンス・ペアレント・トレーニング)資格習得や家族療法等の専門的な研修にも積極的に参加し、支援体制の充実に努めております。



4、教育環境の充実のために

(1)学校におけるいじめ問題について、ラインなどのインターネットを利用したいじめが広がっていると聞き及んでいます。つねに学校・教育委員会連携のもと、早期に見つけ、深刻化する前に相談できる体制を構築されるよう求めます。
[答]いじめの早期発見・早期対応に向け、各校では、アンケートや教育相談を行い、いじめを見逃さない環境づくりに努めております。
 また、ラインなどのインターネットの使い方などについても、独自の資料を作り、児童生徒や保護者に向けて啓発・指導を進めております。


(2)暑さ対策として、保育園・幼稚園・小学校施設へのエアコンを早期に設置されたい。H26年度に中学校に設置されることから、小学校への設置を求める声が一段と高まっています。小学校への設置計画を明らかにされたい。
[答]小学校および園に対する空調設備の必要性は認識しており、引き続き、国の財政的支援の活用を視野に入れ、検討してまいります。

(3)小中学校・保育園・幼稚園における非構造部材の耐震対策について、H25年度から順次実施するとのことですが、今後の計画を明らかにされたい。
[答]平成25年度は、葉山中学校校舎の非構造部材の耐震化を実施しました。
 平成26年度は、災害時の避難場所にもなる小中学校の体育館等において非構造部材の耐震化を進めるために、点検委託業務と設計委託業務を実施します。


(4)国において、小中学校における30〜35人学級計画が実施されなくなりました。少人数学級制は、きめ細やかな指導ができ、不登校の減少や増加傾向にある特別支援教育の必要な児童生徒の指導にも効果があることは実証済みです。国・県に対し、少人数学級制の早期実現を強く要請されたい。
[答]行き届いた教育を推進するため、引き続き、国や県に対して、少人数学級制の実現を要望してまいります。

(5)就学援助への国庫負担の充実を国に要請されたい。生活保護基準の引き下げにより、就学援助受給世帯や申請に影響が出ないよう、対応されたい。
[答]国庫負担の充実を引き続き要望してまいります。
 また、就学援助費給付要綱に基づき、適切に対応してまいります。


(6)通学路の危険箇所の点検は継続的に行い、危険箇所の改善は速やかに対応し常に安全確保に努められたい。
[答]各小学校区の関係団体等から提出された通学路緊急改善要望に基づき、現地調査を行い、通学路の安全対策(カラー舗装化など)について、年次的に整備できるよう取り組んでまいります。

(7)中学校給食がないのは、県内で草津・守山・大津・栗東の4市だけです。H30年度オープン予定の学校給食センターの新設にあたり、中学校給食を実施されたい。
保育園・幼稚園・学校給食の食材に、地元農産物の利用を促進されたい。
[答]学校給食共同調理場の更新計画については、計画策定過程において中学校給食についても検討を実施します。
 学校給食については、食育の推進や地産地消の推進を図る観点からも極力地元産の野菜を使用します。
 保育園・幼稚園・幼児園の給食については、自園給食施設を含め栗東産米を使用しております。また、野菜類等は必要量の確保等の問題もありますが、引き続き、可能な範囲において地元の農産物を使うよう努めてまいります。


(8)一人ひとりの人権や思想・信条・良心の自由を重視した教育が重要です。教職員や児童生徒の内心の自由を尊重し、教育現場を国家統制の道具とする「日の丸・君が代」の押し付けは行なわないよう努められたい。
[答]小学校・中学校学習指導要領に基づき対応してまいります。

(9)県内養護学校の大規模化が問題となっています。本市の子ども達が通う野洲養護学校は、2回目の増築で対応されることになりましたが、保護者からは安全面での不安の声が寄せられています。
@増築によって、学校生活に支障が出ないよう教職員を増員するなどの対応策を講じられたい。
A今後もさらなる生徒増が見込まれています。野洲養護学校だけの問題ではありません。県と県教育委員会に対し、養護学校(特別支援学校)の新設で、大規模化の抜本対策を行うよう県に要請されたい。
[答]県立養護学校(県立特別支援学校)については、県教育委員会が設置管理者となっています。
 本市教育委員会としましても、公教育を充実・発展させるためのより良い方向を検討してまいります。




5、地域経済活性化のために

(1)中小企業の振興のために、地域経済の活性化・市内中小業者の仕事確保や雇用創出に大きな効果が認められる「住宅リフォーム補助制度」の実施を、他市の取り組みも参考にしながら検討されたい。
[答]「住宅リフォーム補助制度」については、地元中小企業に与える経済効果としては一定の期待は持てますが、本市全体の経済波及効果として捉えることは難しく、実施する状況ではないと考えております。
 なお、本市では「木造住宅耐震・バリアフリ−改修等事業」への助成制度があり、当該助成制度の利用促進を図っていくことにより対応してまいります。


(2)農業の振興と安心安全な食料提供のために、TPP交渉から撤退されるよう国に要請されたい。
[答]交渉自体は非公開であることから、政府の考え方が十分に市民に説明され、できる限り詳細な情報の提供と慎重な対応が望まれるため、今後も、国の動向を注視し、県や他市町と連携して的確に対応をしていきます。

(3)5年後に減反政策が廃止されようとしていますが、これはTPP交渉を前提とする対応で、国の食料自給率低下につながります。食料自給率向上のため主要農産物の価格保証と所得補償の充実を、国に求められたい。
[答]国では、「食料・農村・農業基本計画」の改正を踏まえ、今年度中に新しい制度が法制化される予定となっています。
 当面は、米や麦、大豆の生産にかかる価格の補填がされることから、栗東市農業再生協議会等と連携し、現場の農業者が混乱することのないよう対応するとともに、制度の推進に努めます。
 また、野菜については、県事業等の活用や栗東市農産物価格補償協議会による価格補償を実施しております。


(4)深刻化する猪・鹿など獣被害に対し、県主導による広域的な有害獣対策の確立を求めるとともに、市独自の対策を強化されたい。
[答]隣接する各市が連携をしながら広域的な捕獲体制、防除対策を検討するために設置された滋賀県西部・南部地域鳥獣被害対策協議会において、被害状況調査や実証検分を行い有害獣対策の確立を進めてまいります。
 また、本市においては、引き続き防護柵への補助を実施するとともに、各集落における環境点検に力を注ぎ、集落ぐるみで防護柵や防除対策が図れるよう取り組んでまいります。


(5)植栽した杉・桧・松などが、外国材の輸入によって採算が取れないため、枝打ちや間伐作業がおろそかになっています。林業労働者の雇用や森林経営のための作業道の整備を進められたい。そのための補助金の充実を国に求められたい。
[答]森林整備加速化・林業再生基金事業の間伐、林内路網整備等の積極的な事業活用を生産森林組合等に指導するとともに、作業道整備に係る補助金の更なる充実を要望してまいります。

(6)消費税率の引き上げはやめるよう国に要請されたい。
[答]国の制度であることから、国において十分議論されるべき事項であり、要請をすることは考えておりません。

 

6、安心・安全のまちづくりのために

(1)JR栗東駅の西口とホームにエレベーターを設置し、バリアフリー化されたい。
[答]JR栗東駅構内並びに西口のエレベーター設置については、国が努力目標としている平成32年度までの実現に向けて努めてまいります。

(2)旧RD産廃処分場の2次対策において、高濃度の表層ガスが検出された木くず焼却炉周辺を20〜30m程度深く掘削し、VOC類の原因物を速やかに掘削除去されたい。地下水汚染の拡散や飲み水への汚染を防ぐとともに、将来に禍根を残さないためにも場内に存在する有害違法廃棄物はすべて撤去されたい。
[答]県は、有害物調査で判明した、木くず焼却炉付近の特別管理産業廃棄物相当物等を、一次対策工事において掘削除去しました。さらに掘削後、VOC類の広がりについて、周辺自治会住民立会のもと、現地確認および土壌溶出試験等を実施した結果、他への広がりは認められませんでした。
 今後は、県の二次対策工事において、さらに有害物掘削除去等を実施し、地下水汚染の拡散防止等の対応が図られます。


(3)市のエネルギー政策として、太陽光や水力などを利用した再生可能エネルギーの活用に積極的に取り組まれたい。
[答]栗東市環境基本計画の推進のため、低炭素社会の実現をするための施策に取り組む一環として、再生可能エネルギーの利用を実現化できるよう、市・市民・事業者・滞在者それぞれの立場から取り組める仕組みづくりに努めているところです。

(4)H22年7月からコミセン、文化・体育施設など、公共施設の利用料減免制度が大幅に削減されました。市民活動団体にとっては、多大な負担増となり、活動の存続が深刻化しています。営利を伴わない市民団体の利用料減免制度を以前のように充実されたい。
[答]コミュニティセンター使用料の減免については、「栗東市公の施設の使用料等の減免の基準に関する規則」を基準として、著しい公共性、公益性が高い使用の場合には、減免措置を講じるとしています。
 また、規則では、市から運営補助金等を直接交付されていない各種団体等については減免対象としておりません。
 営利を伴わない市民活動団体については、公平性を確保するため一定の受益者負担をお願いする中でより活発な活動をお願いします。


(5)同和対策事業に関わる「地域改善対策特別措置法」が失効して12年が経ちます。同和地域における固定資産税の減免や就修学奨励資金給付等の個人施策をただちに廃止されたい。周辺市の状況は、H27年度には個人施策はほぼ終結されます。本市だけが、廃止の方向性が示されていません。同和対策事業や同和教育は廃止を基本に、人権問題のひとつとして一般施策の中で取り組まれたい。
[答]個人施策から一般施策への移行につきましては、今なお各分野における課題があり、依然として差別意識も解消されていない状況であります。行政の責務として同和問題の解決への取り組みをしていく上からは、将来的な一般施策への移行も方針として示していますが、現時点での限定的な施策は必要であると考えております。国

(6)『財プロ』・『新・集中改革プラン』等で市民負担増が続いています。水道料金も値上げされました。4月からの消費税率引き上げにより、上下水道料金・学校給食費などの公共料金にかかる消費税率も引き上げられ、市民生活への影響はかなり大きいものと思われます。『新・集中改革プラン』で予定されている下水道料金の引き上げは当分の間据え置くよう求めます。
[答]公共下水道事業については、会計方式を平成26年度から地方公営企業法の適用による公営企業会計へ移行いたします。建設に係る経費と管理運営に係る経費の区分による経営状況等の明確化や、弾力的な企業経営が可能となります。
 このことから、公営企業会計移行後に策定予定の下水道経営計画において、事業の効率化・コスト縮減等を更に推し進める中で、「受益者負担の原則」に則り検証してまいります。


(7)防災に関して
@台風18号による被害からの復旧工事については、住民の安心安全を最優先に、災害復旧計画にもとづき速やかに実施されたい。
[答]台風18号による被害の復旧、復興については、現在、全庁を挙げ取り組んでいるところです。
 被災された方の生活再建支援、農地・農業施設など市内産業の復旧、安養寺山、金勝川、林道の都市基盤・公共施設の復旧について、市民の皆様が安心して暮らせる環境の復旧を最優先に、災害復旧計画に基づき、平成27年度までの3年間で本格復旧に向けて取り組んでまいります。


A台風18号の反省と経験を活かし、地域防災計画を見直されたい。その際、災害時や復旧事業で現場に出向く土木や道路・河川、農林業課があり、災害対策本部が設置される2階に、現在庁舎3階にある危機管理室(生活安全課)を移設し、災害時により機動性を発揮できる体制を構築されたい。
[答] 台風18号災害への対応検証については、各課ヒアリングを実施し、課題等を整理して、今後の災害対応の充実を図るための取り組みを進めております。
 各セクションでの災害対応活動が連携したものとなるよう、災害対応の検証結果を基にした災害対策本部機能の充実等を検討いたします。


B台風18号の被害状況から、金勝川平地化において目川池付近の河川ルートが変更されることになりました。変更される工事計画を明らかにされたい。
[答]目川池付近の河川ルートの変更については、、地元自治会から強い要望をいただいたことから、現川改修計画よりも緩やかで安全となる曲線に計画を変更し、地元自治会区民及び周辺自治会へ説明を行い、理解をいただいております。

(8)3年前に閉鎖された旧中央公民館の再開を願う声が多く寄せられています。防災の拠点および市民活動の場として、早期に整備されたい。旧中央公民館用地の整備計画を明らかにされたい。
[答]旧中央公民館については、解体する方向で検討を進めております。
 また、解体後の活用計画については、職員によるプロジェクト会議において、有効活用の方策を検討しているところです。


(9)水害対策と交通渋滞の緩和の早期解決のために、葉山川の平地化事業が遅れることのないよう県に要請されたい。
[答]葉山川平地化事業については、事業計画に基づき事業進捗が図られるよう事業主体である県に対し、毎年、事業計画に基づき事業進捗が図られるよう、事業の早期完成を要望しております。

(10)金勝川平地河川化の進捗により、H26年度から県道六地蔵−草津バイパスが一部供用開始されます。交通量の増加が懸念される下戸山地域の道路、県道川辺−御園線との接続部(灰塚橋付近・十坪橋付近)等における交通安全対策に万全を期されたい。平地河川化のルート変更に伴い工事完了が長引くことを考慮した対応を求めます。
[答]県が実施する県道六地蔵草津バイパスについては、金勝川平地化事業の進捗の遅れに伴い、河川上流部と交差することから、当初よりも完成年度が遅れることになります。
 これにより、下戸山地域周辺への交通量の増加が懸念されることから、交通安全対策に伴う交通規制については、現地確認を行ったうえで、公安委員会に要望してまいります。 
 また、周辺市道においての安全対策については、路面標示による注意喚起や看板による啓発等の取り組みにて検討していきます。


(11)金勝地域における金勝川〜細川(片山全域:神尻橋〜黒橋)の浚渫工事は、H25年度から順次実施と聞き及んでいましたが、いまだに着手されていません。早急に実施されたい。
[答]金勝川と細川については、県が事業毎に浚渫工事を実施します。

(12)集中豪雨による中ノ井川沿いの蜂屋地域における水害の早期解決のため、中ノ井川ショートカット事業の早期完了に取り組まれたい。
[答]蜂屋地域における浸水被害については、中ノ井川ショートカット事業の全区間早期完成および暫定通水路整備に向け地元自治会との調整・事業主体である県に対し要望活動・協議を実施しております。










7、平和と民主主義をまもりぬくために

(1)憲法9条は世界の宝であり、世界への日本の公約です。平和憲法の改定や平和をおびやかす特定秘密保護法の実施に反対し、廃止するよう要請されたい。
[答]国民の代表機関である国会において審議・成立した法律であることから、要請することは考えておりません。

(2)平和都市宣言の市として、積極的に平和事業に取り組まれたい。
[答]「心をつなぐふるさと栗東」平和都市宣言の趣旨に基づき、引き続き平和都市推進事業に取り組みます。

(3)饗庭野における日米合同演習ならびにオスプレイの配備に反対し、饗庭野をアメリカ軍に使わせないよう、国・県に要請されたい。
[答]国の安全保障政策・国防政策に関する事項であり、要請することは考えておりません。

(4)憲法25条の精神を市政に生かし、市民の福祉と暮らしの向上を中心にすえた市政運営を推進されたい。
[答]現在、財政の健全化を最優先にした改革に取り組んでおりますが、その中にあっても、引き続きセーフティネットを維持するとともに、市民の安全安心を守る「元気都市・栗東」の構築に努めてまいります。